【新唐人2013年12月10日付ニュース】先日、偽造旅券で国外逃亡を企てた中国人民大学の幹部が、広東省の深セン税関で逮捕され、国内外メディアが大きく取り上げました。報道によると、この幹部は新入生募集の名義で数億元に上る賄賂を受け取ったそうです。中国共産党による中国伝統文化の破壊が教育部門の腐敗の元凶であると指摘されています。
11月27日、中国人民大学の学生募集・就職処のトップ・蔡栄生が逮捕されたと伝えられました。同大学の紀律検査委員会によると、蔡は現在関連部門の調査を受けているとのことです。
報道によると、蔡は偽造パスポートで深センの税関からカナダへ出国しようとし、逮捕されました。蔡は調査部門に対し、新入生募集等の名目で数億元を横領したことを認めたそうです。また、逃亡前には、人民大学の紀宝成前学長の違法事実を告発する手紙を残していたそうです。
人民大学ではこの他にも、前校長秘書・胡娟が同じ問題で免職されており、調査協力を求められています。
時事評論家 任百鳴さん
「これは比較的小さな横領で、もっと大きいのはトップから低層までの集団横領なのです」
長春東北師範大学講師 穆さん
「蔡栄生は早期募集の方法を使い、汚職や収賄により大金をせしめました。参与したのは、一人や二人ではなく、多くの人がこの事件にかかわったのです。この現象は個別のものではなく、普遍的に存在する問題なのです」
2010年からネット上には、蔡栄生が新入生募集を利用し、自主的な申込みや合格者の事前登録などの名目で賄賂を受け取っているという告発が大量に現れ始めましたが、調査されたことはありませんでした。
昨年7月17日、蔡は“全国模範職員”と評価され、中国教育部の選出する直属大学の受賞者5名の中の一人として表彰されました。
「大紀元時報」の社説『九評共産党』にはこう書かれています。「共産党は暴政を維持し固めるために、邪悪な党性で人間性に取って代わり、『偽、悪、争』という党文化をもって中国伝統文化と入れ換えた。この種の破壊と入れ換えは、文化遺跡や古書などの目で見えるものだけではなく、人の行為や思想、生活スタイルなどの面から、人々の伝統的な価値観、人生観、世界観を変えた」
特に江沢民元国家主席が1999年に発動した法輪功学習者に対する迫害によって、“真、善、忍”に従い良い人になろうとする人々が拷問によって死亡、または労働教養所に送られ、住む場所まで奪われました。この迫害キャンペーンによって、中国社会の基本的な道徳は全面的に破壊され、その結果、誰もが金儲けのことだけを考えるようになりました。大学から小学校に至るまで、学術論文は盗作、捏造が氾濫し、経費の使い込み、性的醜聞なども頻繁に伝えられています。
例えば、浙江大学環境と資源学院の常務副院長の陳英旭は、学生に偽の領収書や契約書を作成させるなどの手段で、数千万元の研究費を横領。
また、厦門(アモイ)大学外国語学院の院長・紀玉華は、重慶のある大学の27歳の女性教師と関係を持ち、女性側は厦門大学の建物から投身自殺を図りました。
時事評論家 任百鳴さん
「全体的に人々道徳が低下しています。金儲けや個人の利益を重視し、特に大学では、本来手本となるべき教師の腐敗堕落や汚職が始まっています」
長春東北師範大学講師 穆さん
「人々の道徳理念や価値観が歪められています。中共が長い間、中国の伝統文化を破壊し続け、教育を通じて長期間洗脳してきた結果なのです」
今中国では、学校の資金調達が奨励されています。資金供給を学生に依存するため、多くの教師は生活上の保障がないので、あらゆる方法を考えて収入を増やそうとします。教育部門で現れた多くの問題は、当局の管理上、制度上の手落ちが造り出したものであると、任さんは指摘します。
また、今の大学校長などは学生を教育する指導者ではなく、個人の利益のために手段を択ばないごろつき官僚であるとの指摘もあります。彼らは手中にある権利を利用して鯨飲馬食(げいいんばしょく)し、甘い汁を吸う、肥えたネズミだと言われています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/11/29/atext1014143.html(中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/水田 映像編集/工)